Key Takeaway
AllxonのOOBソリューションとアドバンテックのICRルータの統合で、エッジデバイスのリモート管理が一層強化され、信頼性が向上しました。

背景
アドバンテックの産業用セルラールータ(多機能なICRシリーズ等)は、オープンブラットフォームである独自OS「ICR-OS」を搭載しています。これにより、パートナーやお客様はそれぞれのニーズに合わせたソフトウェアアプリケーションを柔軟にカスタマイズできます。 このたび、アドバンテックは遠隔デバイス管理のSaaSソリューションを専門とするソフトウェアパートナー、Allxon社とのコラボレーションを実現しました。Allxon社は、独自のアウトオブバンド(OOB)管理エージェントを、アドバンテックのセルラールータ「ICR-2400シリーズ」および「ICR-3200シリーズ」に統合。これにより、これらのルーターはAllxon社のクラウド管理プラットフォームとシームレスに連携し、高度な遠隔OOBソリューションを提供します。OOB管理におけるAllxon社の卓越した技術は、包括的な遠隔監視・管理、そして高度な災害復旧ソリューションをもたらし、エッジデバイスのライフサイクル全体を強力にサポートします。
システム要件
アドバンテックのICRシリーズに統合された効果的なOOBソリューションを開発するために、以下の重要な仕様と機能が求められました。
- 開発者ポータル「DevZone」による強力なバックアップ:アドバンテックの「DevZone」は、ICRシリーズの概要やOSに関する基本情報の提供から、製品のユーザビリティ向上、機能拡張のためのビルド環境準備手順にいたるまで、開発者向けの広範な情報とサポートを提供します。また、OSのオープンソースコンポーネントのビルド方法に関するガイダンスや、新機能の開発やSDK(ソフトウェア開発キット)を効果的に活用するための豊富なリソースを用意しています。
- 充実した開発者サポートとAPI統合:OOBソリューションの円滑な統合と開発を促進するため、詳細な開発ドキュメントやSDKを提供。さらに、遠隔での制御や監視を可能にするRESTful APIなどの標準インターフェイスにも対応しています。
- 高信頼性の遠隔アクセスオプション:さまざまなデバイスを効率的に管理するため、デバイスのシリアルコンソールへのアクセス機能が必要です。ルーターは、イーサネット、セルラーデータ、Wi-Fiに加えて、I/Oポートを介したデジタルI/Oなど、多彩なネットワーク接続オプションに対応している必要があります。
導入製品
システム概要
Allxon社は自社のOOB管理ソリューションをアドバンテックのICRセルラールーターに統合し、ルーターの機能を大幅に強化しました。この統合により、直感的なインターフェイスを備えた「Allxon Service Portal」を介して、シームレスな遠隔電源制御、トラブルシューティング、およびデバイス管理が可能になります。デバイスの電源が切れている場合や、システムが正常に動作していない場合でも、継続的なデバイス管理を確実に行うことができます。
自動販売機におけるアプリケーション事例:DI/DOを介した遠隔電源制御
自動販売機の内部に設置されたエッジ処理ユニット(EPU)は、セルラールーター「ICR-2400」を活用して4Gネットワーク経由で「Allxon Service Portal」に接続されています。EPUがスリープモードや電源オフの状態であっても、ユーザーはポータルからICRルーターを制御できます。ICRルーターのデジタル出力(DO)がリレースイッチに接続されているため、EPU内の他の機器を起動させることが可能です。これにより、遠隔地や人が立ち入るのが難しい過酷な環境にあるアプリケーションに最適なソリューションとなります。
課題:
- 遠隔地やアクセスが困難な環境にあるデバイスの管理と復旧の難しさ。
- デバイスの故障や電源オフ時に、現地へ技術者を派遣(オンサイト対応)せざるを得ない負担。
Allxon社のソリューション:
- Allxon社のエッジエージェントをICRプラットフォームに統合することで、ICRルーターに強力なOOB(帯域外)管理機能を付与。
- デバイスの電源が落ちている場合やハングアップしている状態でも、使いやすいインターフェイスからシームレスな遠隔電源制御を実現。
導入メリット:
- 制御性の向上:現地へのオンサイト対応を行うことなく、スムーズなソフトウェア運用を維持。
- 信頼性の向上:あらゆる場所から迅速な修復が可能になり、ダウンタイムとメンテナンスコストを大幅に削減。
- 管理性の向上:特に過酷な環境における顧客サービスの信頼性と管理性を飛躍的に高めることが可能。
システム構成図:

地上追跡局におけるアプリケーション事例:RS-232を介したクラウド・シリアルコンソール機能
地上追跡局では、遠隔地からのトラブルシューティングやハードウェアの設定変更に対応するため、Allxon社のRS-232経由クラウド・シリアルコンソール機能を活用しています。これにより、現地への技術者派遣を行うことなく、システムを24時間365日連続稼働させることが可能になりました。 シリアルインターフェースを装備し、Allxon Service Insideを搭載した産業用セルラールーター「ICR-3241」により、ユーザーはどこからでもシリアルポートへの接続が可能になります。まるで現地で直接ローカル接続しているかのような操作感で、重要システムへの安全なリモートアクセスを実現します。この機能により、遠隔からでもBIOS画面へアクセスしてトラブルシューティングやハードウェアのリセットを行えるため、問題の早期解決に貢献します。
課題 :
- 遠隔地からのトラブルシューティングや、ハードウェアの設定変更を行う手段の必要性。
- 現地へのオンサイト対応を行うことなく、地上追跡局の連続運用を維持する体制の構築。
Allxon社のソリューション:
- Allxon社が提供する「Cloud Serial Console via RS-232」機能により、どこからでもシリアルポートに接続して遠隔トラブルシューティングを実行可能にします。
- ローカルのシリアルポート接続を仮想的に再現し、重要システムへの安全なリモートアクセス環境を構築。
導入メリット:
- 高度な遠隔トラブルシューティング:場所を問わず遠隔からBIOSへアクセスし、トラブルシューティングやハードウェア設定のリセットが可能。
- 業務の継続性:現地でのオンサイトメンテナンスを不要にし、システムの運用を継続。
システム構成図:
まとめ
Allxon社のOOB管理ソリューションとアドバンテックのICRセルラールーターの統合成功は、カスタマイズ可能なソフトウェアアプリケーションがデバイス管理の向上に極めて有効であることを証明しています。この共同開発は、現地へのオンサイト対応を最小限に抑え、ダウンタイムを短縮。特にアクセスが困難な遠隔地や過酷な環境において、サービスの管理性と信頼性を飛躍的に高める堅牢なソリューションをもたらしました。多彩なルーターアプリを搭載したアドバンテックのICRセルラールーターは、多様化するアプリケーションのニーズに応え続け、複雑化・進化を遂げる現代の垂直統合型市場においてその真価を発揮しています。

