Key Takeaway
病院はアドバンテックのLoRaWANソリューションを採用し、エネルギー効率と持続可能性を向上させました。主な導入機器はWISE-2410センサ、WISE-2200-MおよびWISE-4610ワイヤレスI/Oモジュール、WISE-6610ゲートウェイで、これにより効果的な機器モニタリングとデータ伝送が実現し、運用効率が向上しました。

場所:台湾
背景
台湾トップクラスの主要医療機関の1つである同病院は、常に高品質な医療サービスの提供に尽力してきました。しかし、世界的にサステナビリティ(持続可能性)への関心が高まる中、病院側はエネルギー管理と環境負荷の観点から自社の運用を再評価する必要性を認識。その結果、ESG課題への取り組みの一環として、エネルギー効率の向上と環境への影響の最小化を目指す一連のプロジェクトを始動させました。
まず病院は、エネルギー需要の統計分析を通じて改善の余地を特定するため、病棟ビルや陽子線治療センターなどの主要施設に焦点を当てました。さらに、設備の運用効率向上、特に24時間連続運転され、病院のエネルギー消費に直結する冷凍機やガスシステムなどの監視とメンテナンスに注力しました。これら主要設備の運用・保守をモニタリングすることで、各種システムの効率的かつ安定的、そして安全な稼働を確保し、エネルギー使用の適正化と効率的な設備保全の両立を目指しました。
システム要件
グローバルなESG(環境・社会・ガバナンス)課題の重要性を認識している同病院は、省エネとカーボンニュートラル(炭素削減)を通じて環境保護に貢献したいという強い要望を持っていました。また、従来は目視や手作業による巡回点検を行っていましたが、病院内の人員不足や業務効率の低下、監視範囲の制限、人間の判断ミスといった課題に直面していました。この設備監視プログラムの導入により、これらの課題を解決し、24時間稼働する医療現場として、病院の環境維持システムと患者のケアシステムをストップさせることなく、全体の運用効率を向上させることが求められました。
システムには以下の機能が必要です:
- 低コストかつ迅速な導入:高額な施工費用や、患者の静養を妨げるような大規模な配線工事を必要としないこと。また、点検・メンテナンスコストを削減し、設備停止(ダウンタイム)のリスクを最小限に抑えるために、エネルギー使用効率を効果的に監視・改善できること。
- 過酷な通信環境の克服:広大な病院敷地、多数の壁や医療機器などの障害物、さらには電気室や配管ダクト内という電波が届きにくい環境に設置された配管類をカバーするため、長距離かつ高い透過性を持つ無線通信ソリューションが必要。また、院内では医療用カートをはじめ多くの機器がWi-FiやBluetooth(2.4GHz帯)を使用しており混信しやすいため、干渉の少ないSub-GHz帯の無線通信が必須。
導入製品
- WISE-2410:LoRaWAN対応 スマート振動センサ
- WISE-2200-M:LoRaWAN対応 1ポートRS-485 I/Oモジュール
- WISE-4610:LoRaWAN対応 IoTワイヤレスモジュラーI/O
- WISE-6610:産業用LoRaWANゲートウェイ
- MIC-770 V3:高性能コンパクトファンレスシステム
システム概要
病院は、エッジセンサの情報とクラウドをLoRaWAN技術で結ぶアドバンテックのLoRaWANソリューションを採用しました。通信距離の短さや有線ネットワーク敷設の手間といったWi-Fiの制限に対し、LoRaWANは長距離通信、広範囲カバー、高い電波透過率、低消費電力という決定的な強みを持ち、配線やケーブル工事を一切必要としません。
WISE-2410振動センサは、冷却機やガスシステムなどの連続稼働機器に磁気ベースで取り付けられ、回転速度や加速度のデータをLoRaWAN経由でWISE-6610ゲートウェイに送信します。また、WISE-2200-M LoRaWAN 1RS-485 I/Oモジュールは電力メータからのRS-485信号を受信し、WISE-4610LoRaWAN IoTワイヤレスI/Oモジュールはガス配管システムに設置され、流量計や温度計、アラームデバイスからデータを受信・監視します。これらのデータはWISE-6610ゲートウェイに送信され、その後Ethernet経由でMIC-770 V3ファンレスシステムに送信されます。MIC-770 V3は病院の管理システムに接続し、データを可視化し、最終的に病院内のプライベートクラウドにアップロードされ、関連部署による分析に活用されます。
- WISE-2410は、ISO-10816に準拠したLoRaWAN振動センサで、3軸の振動と温度を検出します。IP66で評価され、広範な温度設計(-20℃〜80℃)で連続稼働する冷却機やガスシステムなどの厳しい環境に対応しています。
- WISE-2200-Mは、プラグアンドプレイのLoRaWAN RS-485 I/Oモジュールで、ユーザーが簡単にデータ取得設定を行い、Modbus/RTUプロトコルをサポートするセンサやメータのデータをキャプチャできます。広範な温度設計(-25〜70℃)で、過酷な産業環境でも動作可能です。
- WISE-4610は、WISE-S617モジュール式I/Oソリューションを搭載し、さまざまなリモート施設のモニタリングと制御に対応します。スイッチング制御用のDOやセンサPLC接続用のAI/DI/RS-485チャンネルを備えています。
- WISE-6610はLoRaWANゲートウェイで、制御室のSCADAシステムに接続するためにModbus TCPプロトコルに対応します。
- MIC-770 V3は、第14/13/12世代インテル® Core™ i プロセッサを搭載したコンパクトファンレスシステムで、リアルタイムデータ分析のための優れた計算能力を提供します。その頑丈な設計により、過酷な環境でも24時間365日の連続運用が可能です。
システム構成図
まとめ
LPWAN技術とプラグアンドプレイの製品設計により、施設モニタリングシステムの安定性と迅速な展開が確保されます。WISE-2410とWISE-4610はバッテリー駆動に対応し、かつ産業用制御プロトコルをサポートしているため、電源供給が困難なエリアでも高性能な運用を可能にし、SCADAシステム向けのRTU RS-485やTCP対応など、幅広いアプリケーションの要求を達成しました。病棟ビルにおける第1段階の導入を終え、アドバンテックの施設監視ソリューションは顧客の運用効率を劇的に向上させました。この成果を受けて、病院側は同組織内の他の施設へも本ソリューションの導入枠を拡大することを決定しています。

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